20,000人の観光客が訪れる村~宮崎県西米良村 小川作小屋村を訪ねて
宮崎県の西部、人口1,000人余りの山村に、年間20,000人もの観光客が集まる農家レストラン「小川作小屋村」があるというので、行ってみた。
レストラン情報
- 店名:小川作小屋村(おがわさくごやむら)
- 所在地:〒881-1302 宮崎県児湯郡西米良村大字小川254番地
- ホームページ:https://www.ogawasakugoya-village.com/
「小川作小屋村」の誕生物語
「小川作小屋村」がある宮崎県西米良村の小川集落は過疎が進む限界集落です。かつては林業で栄えた村ですが、1960年代の燃料革命・高度経済成長以降、急速に過疎高齢化が進み、平成6年に行われた人口の長期予測では、平成22年には村人口が748人になるとの結果が出ました。
特に小川作小屋村がある小川集落は人口減少が顕著で、平成17年には人口100人弱、高齢化率71%に達しており、集落存亡の危機が高まっていました。
そこで、背水の陣で新しい企画が立ちあがりました。小川集落の文化でもあった「作小屋」を利用した「小川作小屋村構想」です。
小川集落には、林業や農業の休息時に使用する「作小屋」という小屋がありました。この小屋を、復元して当時「平成の桃源郷」として、再生しようとする構想です。行政と地域協議会がなんども話し合いを重ね、「農村と都市の交流の場」「地域経営拠点」「都市住民の体験工房の場」地域再生拠点構想が始まりました。
この作小屋を起動に載せるために、小川地区では計96回にもわたる地域協議会が開かれ「この地域をどうしても残したい。どのようにすれば残せるか。」という地域住民の想いを一つにまとめていく場が設けられました。
話し合いで大切にされたポイントは次のようなものです。
一つには、景観を統一させること、二つには地域の郷土料理を目玉にすること、三つには、女性の意見を活かすこと、です。
郷土料理の提供者としては地域の婦人会の女性たちが選ばれ、地元で採れた食材を活用した小川の味を楽しむお食事処(小川四季御前)が誕生しました。平成21年のことです。
小川作小屋村の伝統料理
目玉料理は、16皿に1品ずつ並べた郷土料理です。すべて地元の婦人会で鍛えた農家のお母さん方の手作りです。写真のメニューは芋と椎茸の煮しめ、おからサラダ、小川豆腐、おから天、梅ゼリー、鹿の甘酢和え、椎茸天ぷら、わらび、こんにゃく、タケノコの煮しめ、カラーピーマンの油炒め、栗の渋皮煮など。
同じ敷地内には宿泊施設のバンガローもあります。
1泊素泊まり2,500円、夕食付きで4,400円で何とも豪華な空間です。ゆったりとした山村で、家族や大切な人と水いらずの時間を過ごしてはどうでしょうか。